北海道大学獣医学研究科 教授 小沼 操 氏
ご紹介いただきました北海道大学の小沼でございます。
道の方からお願いされまして、BSEの正しい知識についてというセミナーなのですけれども、私は2年ほど前に、北海道大学が主催いたしましたBSEと人の疾病、病気ということで一回市民の公開講座をやりましたので、それをもとにして、今日少しこういう、先ほど副知事からご説明ありましたように、アジアで初めてのBSEの発生に伴って北海道の畜産が揺れ動いて、そして消費者の人たちもかなり不安があるということで、できる限りわかりやすくBSEとは何かというのをお話しできたらと思っております。
それでは、最初のスライドをお願いいたします。今日は大体1時間ほどですので、こんなような項目でお話ししていこうかなと思っております。BSEとは何か、それから、英国で発生して、その後EUで出ておりますけれども、その発生状況、そして、なぜ英国で発生したのかについて考えてみたいと思います。
これの原因はプリオンでありますけれども、牛だけでなくて、人を含めていろんな動物にありますので、そのプリオン病とは何か。そして、異常プリオンはどうやって検出するか。診断です。それから、これによる人の類似疾病、そして最後に日本でのBSEの発生と、どういうふうに対応されているかということについて1時間くらいでお話ししたいと思います。
新聞では狂牛病と書かれておりますけれども、正式には牛海綿状脳症、ボバイン・スポンジフォーム・エンセハロパシー、BSEです。これは、1986年、イギリスで初めて報告された牛の病気で、そして、このBSEにかかった牛の脳の中枢神経、延髄での空胞化、そして脳の組織がスポンジ状に見えることから牛海綿状脳症というふうに名づけられた、こういう病気でございます。
これはちょっと小さいスライドですけれども、イギリスでの発生を見たものです。1986年に、ここの段階ですけれども、1986年に初めて病理学的に空胞変性の脳ということで海綿状脳症というのが診断されまして、イギリスでは精力的にこれの原因を追及していって、ほぼ2年余りで、これの原因が多分、今皆さんがよく新聞をにぎわしている肉骨粉であるということが明らかになって、そしてそれを禁止したのが大体2年後でございます。1988年に禁止いたしました。
ですけれども、この病気は潜伏期間が数年ありますので、これ以前に肉骨粉を食べさせていたゆえにぐんぐんふえていって、1992年、93年の段階では月に3,000から4,000頭くらいイギリスで出ていたわけです。ですけれども、ここで肉骨粉の給餌をストップさせましたので落ちて、2000年くらいでなくなるだろうというふうに予測されていたのですけれども、これがだらだらと尾を引いて、2001年でもまだ月レベルでかなり出ているわけです。それの原因は、妊娠牛から子供に行くという可能性というのは、ゼロではないのですけれども、物すごく低いと言われて、ではなぜこんなふうにだらだらいっているかというと、当初イギリスでは肉骨粉を豚や鶏には例外としていた。それが牛の方に流用されたり、処理する過程でまざったりというふうなことでなかなかなくならなかったのではないだろうかという考察はされております。ともかく、英国では86年に出て、88年にエサから来るということがほぼ明らかになって禁止して、そして92年、93年でふえて、ずっと落ちてきて、今2001でもまだ少し出ているというのが英国の状況でございます。